伊藤眞古稀後著作集 民事司法の地平に向かって

伊藤眞古稀後著作集 民事司法の地平に向かって

伊藤 眞 著

A5判上製/552頁

ISBN:978-4-7857-2865-6

定価:6,050円 (本体5,500円+税)

発売日:2021/05

詳細
民事手続法の第一線で活躍する著者の古稀後の論考をまとめた著作集

弁護士会照会運用、法律意見書、倒産法をめぐる近年注目されている論点についてとりあげた論考・判例評釈および、研究活動を通してのエッセイや講演録など、著者自身の豊かな経験を通してつづったテキストを1冊にまとめた。

伊藤 眞 東京大学名誉教授

〈主要目次〉
はしがき
凡例
Ⅰ 判決手続編
 1 弁護士会照会の法理と運用——二重の利益衡量からの脱却を目指して
 2 法律意見書雑考——公正中立性のombre et lumière(光と影)
 3 改正民法下における債権者代位訴訟と詐害行為取消訴訟の手続法的考察
 4 実態解明と秘匿特権との調和を求めて(En quête de l’harmonie)——課徴金賦課手続における実質的手続保障の必要性
 5 争点整理手続の過去、現在、未来——民事訴訟に対する市民と企業の信頼を支えるもの
 6 弁護士会照会運用の今後——最二小判平成30・12・21が残したもの
 7 紛争解決制度としての仲裁の機能向上とインタラクティヴ仲裁規則2019——仲裁廷の心証開示を中心として

Ⅱ 民事執行編
 8 債務者の金融資産にかかる情報を第三者から取得する制度設計のあり方——権道と正道(ius track)

Ⅲ 倒産編
 9 現代型契約と倒産法をめぐる理論状況——研究者の視点から
 10 片務契約および一方履行済みの双務契約と倒産手続——倒産解除条項との関係を含めて
 11 破産管財人の法的地位と第三者性——管理機構人格説の揺らぎ?
 12 株主代表訴訟の外延と倒産手続との交錯——会社の責任財産の保全と株主の地位
 13 「相殺の合理的期待」はAmuletum(護符)たり得るか——最二小判平成28・7・8の意義
 14 無償否認における善意の受益者の償還義務の範囲——詐害行為の回復と善意の受益者保護の調和を求めて
 15 破産者代理人(破産手続開始申立代理人)の地位と責任——「破産管財人に対する不法行為」とは何か。補論としてのDIP 型破産手続
 16 最二小判平成22年6月4日のNachleuchten(残照)——留保所有権を取得した信販会社の倒産手続上の地位
 17 法的倒産手続の利用を促すために——nahtlos(継ぎ目のない)手続の実現を目指して
 18 リーマン国際倒産事件研究会報告を始めるに当たって——溶ける国境、問われる法理
 19 法的整理と私的整理の連続と不連続(Concordance et Disconcordance)——債権者平等原則の栄光と変貌(Gloire et Transfiguration)
 20 自動車割賦販売において信販会社が販売会社から法定代位により取得した留保所有権を別除権として行使することの許否(最一小判平成29・12・7民集71巻10号1925頁)
 21 特別清算手続における清算株式会社の地位と清算人の機関性
 22 仮想通貨(暗号資産)と倒産法上の諸問題——共同幻想(LʼIllusion commune)の財貨性と利害関係人間の公平
 23 否認権行使に基づく価額償還請求権の算定基準時——原物か現物か
 24 法テラスの破産手続開始申立弁護士費用立替に基づく償還請求権の財団債権性——借金苦による悲劇を繰り返さないために
 25 破産債権確定手続と外国訴訟手続および仲裁手続の交錯——国際化時代の破産式確定

Ⅳ エッセイ編
 26 体系書改訂の舞台裏と古稀のピアノ——辿り来て未だ山麓
 27 研究者のススメ——理論と実務の狭間(tiraillé)に半世紀(反省記)

事項・人名索引
判例索引