会社法における会議体とそのあり方
変革期における株主総会と取締役会の実務

株主総会と取締役会の法的論点を、理論と実務の両面から語る！

日本企業のコーポレートガバナンスの変化に伴って顕在化してきた、会社法における会議体の法的論点を、研究者、弁護士、企業の実務家が理論と実務の両面から論じる座談会を収録。「旬刊商事法務」の連載を、待望の単行本化！

藤田 友敬　東京大学大学院法学政治学研究科教授
澤口 実　　森・濱田松本法律事務所　弁護士

第 I 部　株主総会編
         藤田友敬〔司会〕・北村雅史・田中　亘・茂木美樹・澤口　実
INDEX
座談会・株主総会編のねらい

　1　デジタル化の影響
　　1.1　バーチャル株主総会 
　　1.1.1　株主総会に求められる即時性・双方向性の意義 
　　1.2　バーチャルオンリー株主総会 
　　1.2.1　予備日設定の是非 
　　1.2.2　事前申込み制・定員制の是非 
　　1.2.3　動議や質疑の制限の限界
　　1.2.4　議長や役員の議決権行使の方法
　　1.3　役員のオンライン出席 
　　1.4　棄権または中立の意思表示 

　2　実務の確認と見直し
　　2.1　定員制・事前登録制 
　　2.1.1　一般論 
　　2.1.2　スルガ銀行事件決定
　　2.2　代理人を株主に限定する定款の意義 
　　2.3　いわゆる委任状一体型議決権行使書
　　2.4　議場における手続的動議のみに関する委任状
　　2.5　株主提案の目的事項 
　　2.6　株主への金券等の交付 
　　2.7　濫用的な株主提案への対策 
　　2.8　修正動議の限界
　　2.9　議長不信任動議の取扱い 
　　2.10　株主提案の候補者を含む取締役選任議案と定員内の取締役の決定方法 
　　2.11　議場における投票の方法に関する議長裁量の限界
　　2.12　関西スーパー事件 
　　2.13　決議の成立時期 
　　2.14　調査者選任議案 

　3　株主総会制度の再検討
　　3.1　報告
　　3.1.1　報告の方法 
　　3.1.2　報告事項に関する説明義務の内容 
　　3.1.3　報告事項と株主の関心との乖離
　　3.2　決議 
　　3.2.1　決議先行シナリオ等 
　　3.2.2　決議取消し 
　　3.3　会議 
　　3.3.1　会議体の一般原則とは何か 
　　3.3.2　株主総会が会議体である必要性 

第 II 部　取締役会編
　　　藤田友敬〔司会〕・田中　亘・齊藤真紀・小幡　忍・澤口　実
INDEX
座談会・取締役会編のねらい

　1　取締役会の運営
　　1.1　取締役会の招集の撤回 
　　1.2　取締役会における中立の意思表示 
　　1.3　取締役会の決議要件 
　　1.4　取締役会における採決の方法と決議成立の時期 
　　1.5　取締役会の閉会
　　1.6　取締役会決議事項の不実施と報告等の要否 
　　1.7　取締役会決議の効力の時間的限界 
　　1.7.1　取締役会決議の有効期間 
　　1.7.2　取締役会構成の変化による影響 
　　1.8　利益相反取引の範囲
　　1.9　特別利害関係人の範囲 
　　1.9.1　伝統的な理解の確認 
　　1.9.2　株主総会への付議議案
　　1.9.2.1　報酬／1.9.2.2　選任・解任・その他　
　　1.9.3　株主総会決議に基づく具体的決定
　　1.9.3.1　報酬　／1.9.3.2　責任限定契約・補償契約・D&O 保険の締結　
　　1.9.4　派遣関係 
　　1.9.5　スクイーズアウトにおける親会社出身取締役
　　1.9.6　競業関係
　　1.10　報告事項と利益相反 
　　1.11　指名委員会等設置会社の取締役会で決定可能な委員会に関する事項 
　　1.12　取締役会決議の瑕疵 

　2　社外取締役の増加と取締役会の役割の変化
　　2.1　重要な業務執行の量的基準 
　　2.2　重要な業務執行の質的基準
　　2.2.1　年度予算、減損処理、執行役員人事
　　2.2.2　CG コードが求める取締役会審議事項
　　2.3　業務執行状況報告の態様 
　　2.3.1　代理報告、使用人による代理報告、書面報告の可否 
　　2.3.2　取締役会の開催強制との関係 
　　2.4　傍聴者を認めることの可否 

　3　グループ経営の浸透
　　3.1　子会社の業務執行の取締役会への付議 
　　3.2　子会社への資産の譲渡と取締役会への付議 
　　3.3　完全子会社における取引と利益相反取引・競業取引規制の適用範囲 

　4　その他
　　4.1　社外取締役に期待される役割 
　　4.2　Board3.0 
　　4.3　取締役会と「会議体」 

　編者紹介・座談会出席者紹介