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- 倒産実体法の契約処理
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国際レベルの実務専門家が、法律・金融・監査の契約エキスパートのために、倒産実体法を契約管理の視点から先鋭的・画期的・比較法的に分析・提言をした渾身の書。
主要目次
1 倒産法と契約法
Ⅰ はじめに/Ⅱ 倒産手続開始前からの契約関係の継承,尊重/Ⅲ 倒産法の独自の価値の尊重/Ⅳ 多くは契約関係の進行過程で倒産手続に入ること/Ⅴ 契約関係に基礎を置いた倒産法の諸権利/Ⅵ 双方が未履行である契約関係の処理の必要/Ⅶ 双務契約双方未履行に関する基本的視点の必要性/Ⅷ 外国倒産手続による内国実体法の変容,修正
2 双務契約と倒産優先回収権
Ⅰ 従前の優先回収権の分類/Ⅱ 契約関係を基礎にした上での認識の必要/Ⅲ優先回収権と契約法の連動/Ⅳ 契約との連動の解説/Ⅴ 優先回収権と契約との関係図式/Ⅵ まとめ
3 保全期間
Ⅰ 各種の保全処分/Ⅱ 開始までの管理機構(監督委員,調査委員,保全管理人など)/Ⅲ 保全段階の個別債権者の回収行動と防衛対策/Ⅳ 財団防衛手法の現状の評価/Ⅴ 保全期間中の財産,経営管理に関わる構造/Ⅵ 保全期間の実務作業と問題点/Ⅶ 個別的な検討――保全段階での相殺権/Ⅷ 保全期間の構造的な問題
4 債権の現在化,同時履行の抗弁
Ⅰ 双務契約の未履行部分の捉え方/Ⅱ 破産手続開始に伴う債権の性質付け,期限到来と同時履行の抗弁/Ⅲ 存続する同時履行の抗弁/Ⅳ 考え方の基本1/Ⅴ まとめ
5 双務契約再考―売主の本旨履行請求の要件事実と双方未履行解除をめぐって
Ⅰ はじめに/Ⅱ 双務契約と法/Ⅲ 売買に見る双務契約の分析/Ⅳ 救済に関する英米法/Ⅴ 大陸法とコモンローの接点の模索/Ⅵ 倒産法と双務契約双方未履行
6 高度ファイナンス取引――「倒産法の尽きた」ところにある契約法を考える
Ⅰ 近時のファイナンス取引の1つの画像/Ⅱ 倒産隔離技法/Ⅲ 米国での倒産隔離技法をめぐる攻防略史/Ⅳわが国での論点,現状,取引実例/Ⅴ まとめ
7 市場の相場がある商品取引契約
Ⅰ はじめに/Ⅱ 制度・手続の解説
8 動産売買と倒産法
Ⅰ 前提/Ⅱ 瑕疵担保と完全履行責任/Ⅲ 完全履行主義の危険/Ⅳ 瑕疵担保による場合の難点/Ⅴ完全履行請求の難点/Ⅵ 二者択一と統合論/Ⅶ 売主の倒産/Ⅷ 動産売買の売主による取戻権/Ⅸ 米国動産売主の取戻権
9 倒産手続と取戻権―デリバティブ取引をきっかけに
Ⅰ はじめに/Ⅱ 民事再生における取戻権/Ⅲ 担保物を提供した債務者と担保権者の債権者との関係/Ⅳ 担保提供債務者による再生債務者からの取戻権の行使/ⅤISDA, 2002 Master Agreement, Credit Support Annex, SecurityInterest Subject to Japanese Law(「ISDA Annex」)によった担保と取戻権/Ⅵ まとめ
10 倒産手続における担保権の範囲,額ならびに財産の評価
Ⅰ 担保権/Ⅱ 倒産手続における企業の評価と担保物の評価/Ⅲ 倒産法における担保権の評価と手続の進行/Ⅳ 倒産法による担保権の現在価値の保証と組分け/Ⅴ 担保権者に対して倒産法が加える権利内容に向けた制限/Ⅵ動産担保をめぐる諸問題/Ⅶ 倒産手続の進行に応じた資産,負債の評価
11 集合動産担保権ならびに集合債権担保権
Ⅰ 実体法の到達点/Ⅱ 現行法に残された問題点/Ⅲ 集合動産担保および集合債権担保と担保提供者の倒産/Ⅳ 比較法の検討
12 倒産内外を通じた動態的担保試論―人的財産担保の変動をめぐって
Ⅰ はじめに/Ⅱ 債務者の担保物処分に関する基本原則をめぐって/Ⅲ 担保権の物上代位の歴史的検討/Ⅳ物上代位に関する米国法の検討/Ⅴ 今後を展望して
13 倒産法と相殺権
Ⅰ 相殺と倒産手続開始に関する基本事項/Ⅱ 再生手続,更生手続における相殺の新たな機能/Ⅲ 米国連邦破産法
第11編
第11章(Chapter11)(「米国会社更生」)のケースにおける相殺権を担保権とする法制/Ⅳ 賃貸借契約に関連する相殺
14 否認権による契約の修正
Ⅰ 否認権の基本/Ⅱ 否認権の対象行為の分類/Ⅲ否認権行使の要件/Ⅳ 否認権行使の効果/Ⅴ 集合動産譲渡担保および集合債権譲渡担保に特殊な否認問題
15 財産の価額―法と企業会計
Ⅰ 一般論として/Ⅱ 法源として見た企業会計の慣行/Ⅲ 企業会計原則その他の企業会計の慣行の法令の体系における位置付け
16 返済計画を規定する実体法の諸権利
Ⅰ 基本的な原則/Ⅱ 具体的な作業/Ⅲ 再生計画案の作成,類型/Ⅳ 更生計画案の作成,類型/Ⅴ 取得者(新所有者,あるいはスポンサー)の選定など/Ⅵ 米国における更生計画,スポンサー問題など
事項索引