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- 概説 倒産と労働
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倒産手続における労働者の地位は、賃金債権等の財団債権化などの議論をのみならず、民事再生や会社更生という事業再生型手続やその中での事業譲渡など事業主体の変更などの場合でもさまざまな議論と問題がある。労働法理と倒産法理の調和点をさぐるシンポジウムの成果と問題提起を完全収録。
主要目次
第Ⅰ部 パネルディスカッション「倒産と労働」
パネルディスカッション1 倒産と労働債権 パネリスト:徳住堅治(東京弁護士会)/今村 哲(東京弁護士会)/
岡 伸浩(第一東京弁護士会)/上野 保(第二東京弁護士会) モデレーター:森 倫洋(第一東京弁護士会)
第1 先取特権による優先権の認められる労働債権の範囲及び財団債権性・共益債権性の認められる「給料」の範囲
第2 労働債権の権利行使のための情報提供努力義務
第3 代位弁済の場合の財団債権性
第4 退職金のカット
第5 総括
パネルディスカッション1を経験して
今後の課題と展望/徳住堅治
破産法149条1項・2項と各種手当てに関する雑感/今村 哲
破産管財人の情報提供努力義務再考/岡 伸浩
倒産法手続における労働債権保護のあり方について/上野 保
配付資料
パネルディスカッション2 整理解雇 パネリスト:徳住堅治(東京弁護士会)/木下潮音(第一東京弁護士会)/
松村卓治(東京弁護士会)/服部明人(第一東京弁護士会)/髙井章光(第二東京弁護士会) モデレーター:森 倫洋(第一東京弁護士会)
第1 平時における整理解雇の4要素の判断枠組み
第2 倒産場面における整理解雇の特殊性
第3 再建型の倒産場面での整理解雇における「人員削減の必要性」の判断
第4 「人員整理の必要性」の判断時点
第5 「整理解雇の4要素」の法理の再建型倒産手続における解雇への適用の当否及び変容の有無
第6 解雇と企業存続のための人材確保のバランス
第7 総括
パネルディスカッション2を経験して
理論的・実務的課題の克服に向けて/徳住堅治
整理解雇における公正な利益調整/木下潮音
事業再生手続における人員削減策の合理性/松村卓治
倒産状況における整理解雇(2つの日本航空株式会社判決に接して)/髙井章光
配付資料
パネルディスカッション3 企業再編と労働 パネリスト:徳住堅治(東京弁護士会)/木下潮音(第一東京弁護士会)/
相澤光江(東京弁護士会)/岩崎通也(第二東京弁護士会) モデレーター:森 倫洋(第一東京弁護士会)
第1 企業再編が労働契約に与える影響
第2 企業再編における労働条件の変更
第3 スポンサー選定における雇用関係・労働条件の維持の問題の扱いについて
第4 企業再編に関する労働者の意向の聴取
第5 総括
パネルディスカッション3を経験して
制度運用の見直しが急務/徳住堅治
倒産時における労働契約のあり方/木下潮音
日本の労働市場のあり方と解雇法制について/相澤光江
スポンサー選定と労働条件に関する雑感/岩崎通也
配付資料
第Ⅱ部 2つの日本航空判決
判例評釈 会社更生手続における整理解雇の有効性――日本航空(整理解雇)事件/池田 悠
【資料】
日本航空(運航乗務員・整理解雇)事件 東京地判平成24・3・29
日本航空(客室乗務員・整理解雇)事件 東京地判平成24・3・30
○判例索引
○本書の執筆者