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- 競争者排除型行為規制の目的と構造
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忠誠リベートという行為は、競争者排除型行為の二つの典型的類型である排他的取引と不当廉売との境界に位置する行為類型であるため、その競争法上の扱いをめぐっては、海外でも見解が分かれている。本書は、忠誠リベートの競争法上の問題点に関する比較法的考察を通じて、競争者排除型行為規制の目的と構造を探求するものである。
主要目次
第1章 はじめに
第2章 欧州の伝統的判例法理の形成と展開(「形式ベース」のアプローチ時代)
第1節 102条規制の目的と伝統的要件論
第2節 形式ベースのアプローチの下での忠誠リベートにかかる
第3章 忠誠リベートの経済学(反競争効果・競争促進効果のストーリー):2000年代における議論の深化
第4章 欧州委員会による「効果ベース」アプローチへの転換とその実践、並びにその後の裁判例の展開
第1節 欧州委員会の「効果ベース」アプローチの登場と実践
第2節 欧州裁判所の最新動向と今後の展望
第5章 米国法の動向:最近の下級審裁判例を中心に
第1節 適用法条と要件
第2節 米国の裁判例の展開と傾向
第3節 行政当局の立場:FTCの規制を中心に
第4節 米国法まとめ
第6章 日本法への示唆
第1節 EU法と米国法の異同に関する整理と検討
第2節 日本法の下での考え方