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詳細
生成AIの仕組みを明らかにし著作権に関する論点を検討する実務の指南書
AIの活用が現実のものとなってきた。技術の進展は、社会制度や法制度にも見直しを迫っており、なかでも著作権に関する問題は、生成AIの開発・利用において極めて重要な論点となっており、実際に米国をはじめとする各国において、著作権者とAI開発企業との間で複数の訴訟が提起されるなど、法的な争いが現実のものとなっている。日本においても、AIの開発・利用と著作権の関係について大きな関心が寄せられ、さまざまな議論が展開されているところ、本書では、生成AIと著作権に関して実務上問題となる論点をできる限り広く取り上げ、文化審議会の「AIと著作権に関する考え方」などの各種の公的資料、学説、裁判例などを紹介した上で、実務的な観点を踏まえた解説が試みられている。
髙部眞規子弁護士(元知財高裁所長)のインタビュー録も掲載されており、実務に携わる方々にとって必読の1冊!
福岡 真之介 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士
主要目次
序 章 生成AIの仕組みと著作権上の論点の概要
Ⅰ 生成AIと著作権に関する論点
Ⅱ 著作権以外の論点
第1章 生成AIの仕組み
Ⅰ 生成AIの技術
Ⅱ 生成AIモデルの開発と利用の流れ
Ⅲ AIと著作権に関する政府検討の経緯
Ⅳ 著作権法の基礎知識
第2章 開発・学習段階の法的論点
Ⅰ 総 説
Ⅱ 法30条の4の概要
Ⅲ 非享受目的の有無
Ⅳ 法30条の4ただし書
Ⅴ 法47条の5
Ⅵ 著作隣接権への適用
Ⅶ まとめ
第3章 AI生成物の生成・利用段階における論点
Ⅰ 著作権侵害の要件
Ⅱ 類似性
Ⅲ 依 拠
Ⅳ 付随軽微利用(法47条の5)
Ⅴ 引用による利用
Ⅵ その他権利制限規定
Ⅶ まとめ
第4章 AI生成物の著作物性
Ⅰ 総 説
Ⅱ 著作物該当性
Ⅲ 著作者性の認定
Ⅳ AI生成物に対する加筆・修正
Ⅴ プロンプトとAI生成物との関係
Ⅵ 僭称コンテンツ問題
第5章 著作権法と契約の関係
Ⅰ 総 説
Ⅱ 契約の成否の問題
Ⅲ 契約の解釈の問題
Ⅳ オーバーライド条項の有効性の問題
Ⅴ まとめ
第6章 著作者人格権
Ⅰ 総 説
Ⅱ 学習段階
Ⅲ 生成・利用段階
Ⅳ 権利制限規定との関係
Ⅴ 実演家人格権
第7章 権利侵害
Ⅰ 総 説
Ⅱ 著作権等侵害に対する各措置の内容
Ⅲ 規範的主体論
Ⅳ 著作権で保護されない場合
Ⅴ まとめ
第8章 準拠法・国際裁判管轄
Ⅰ 総 説
Ⅱ 準拠法
Ⅲ 国際裁判管轄
Ⅳ まとめ
第9章 肖像と声の無許諾利用
Ⅰ 総 説
Ⅱ 著作権法による保護
Ⅲ 商標法による保護
Ⅳ 民法上の不法行為による保護
Ⅴ 不正競争防止法による保護
Ⅵ まとめ
第10章 事例検討
Ⅰ ジブリ風画像の生成は著作権侵害となるか
Ⅱ RAGの開発・利用は著作権侵害となるか
髙部眞規子先生 Interview
Q1 著作権法30条の4について教えて下さい。
Q2 どのような場合に複製権・翻案権の侵害になるのでしょうか。
Q3 複製権・翻案権侵害の一つである「依拠」について、その有無はどのように判断するのでしょうか。
Q4 AI生成物の著作物性はどのように判断するのでしょうか。
Q5 国際的要素がある著作権侵害において、準拠法はどのように決定されるのでしょうか。
Q6 国際的要素がある著作権訴訟について、裁判管轄はどのように決定されるのでしょうか。