中国会社法制の理論と実務

中国商事法研究第2巻
中国会社法制の理論と実務

神田 秀樹・朱 大明 編


A5判上製/320頁
ISBN:978-4-7857-3124-3

定価:6,600円 (本体6,000円+税)

発売日: 2024年11月

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中国における一流の研究者による本邦初の詳細解説

好評の『中国証券法制の理論と実務』に続く「中国商事法研究」の第2巻。監査委員会制度、法人格否認、支配株主規制、実質的支配者の識別基準など11論点を掲げ、中国会社法制の現在の姿について、中国の研究者が実務を踏まえて論じる。

神田 秀樹 学習院大大学院法務研究科教授・東京大学名誉教授
朱 大明  東京大学大学院法学政治学研究科特任教授

主要目次

1 会社類型と会社法の体系〔沈朝暉〕
1 はじめに
2 進化論──商業組織形態の進化に関する歴史理論的論理
3 同類併合──株式会社と有限会社の制度内容の統合
4 再分化──有限会社の属性転換と新制度の要素
5 体系上の便益──「同類併合と再分化」の方法論的拡張
6 結論──2023年新会社法を出発点として

2 会社の登録資本金と出資引受制度〔林一英〕
1 問題の所在
2 法定資本制度の沿革及び比較
3 登録資本金引受登記制度の再考
4 会社法改正による引受登記制度の改善
5 おわりに
 
3 監査委員会制度とその実施に関する問題点〔蒋大興〕
1 はじめに
2 取締役会監査委員会の設置──選択型と強制型
3 監査委員会委員の選任──株主総会の権限か取締役会の権限か
4 監査委員会の権限と位置付け
5 監査委員会委員の業務執行権限──取締役会の業務決定に参加できるか
6 監査委員会が誰に対して責任を負うか
7 おわりに
 
4 法人格否認の制度変遷と将来の展望〔葛偉軍〕
1 はじめに
2 法人格否認の法理の立法の進展
3 逃避の原則と隠蔽の原則の区別
4 逆方向の法人格否認の存廃
5 規則の評価と将来の展望
6 おわりに
 
5 上場会社における取締役の地位とその義務・責任〔缪因知〕
1 取締役会の権限強化
2 取締役の義務
3 取締役の権限行使における難点
4 独立取締役の制度イノベーションと困難
5 取締役の責任とその制限──虚偽記載を中心に
6 おわりに
 
6 支配株主規制の体系とその特徴〔朱大明〕
1 序
2 支配株主規制の体系と2023年会社法改正の意義
3 支配株主規制における問題点
4 支配株主規制体系の特徴
 
7 実質的支配者の識別基準と制度表現〔周遊〕
1 問題喚起
2 実質的支配者識別のルールのジレンマ
3 誰が実質的支配者か──行政と司法においての実務相違
4 実質的支配者の識別基準についての制度革新
5 おわりに
 
8 国家出資会社のコーポレート・ガバナンス〔汪青松〕
1 はじめに
2 国家出資会社の導入の意義及びガバナンス上の課題
3 国家出資会社のガバナンス・モデルのあるべき姿
4 国家出資会社の取締役会のガバナンス上の役割
5 取締役会中心のガバナンス・モデルの制度的保障
6 おわりに
 
9 種類株式制度導入の意義〔朱慈蘊〕
1 中国における種類株式制度沿革
2 新会社法における種類株式制度の内容
3 種類株式制度が会社にもたらす価値
4 おわりに
 
10 有限会社における持分譲渡の制度構造とその問題点〔陳彦晶〕
1 序
2 持分譲渡制限の限度
3 譲渡制限に違反した持分譲渡の効力
4 持分譲渡の瑕疵担保
5 持分移転の時期
6 持分の善意取得
7 契約による株式の買取
 
11 会社清算主体のモデル──二元制から一元制への転換〔胡改蓉〕
1 はじめに
2 中国における二元的会社清算主体モデルの形成
3 二元的会社清算主体モデルに起因する困惑
4 二元制から一元制への転換──「清算義務者」制度の廃止
5 「法定清算人」の適合主体
6 一元的モデル下の「清算人」に関する制度設計
7 おわりに

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